2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

真全体と悪全体

ヘーゲルは真なるものは全体であるとする。個の存在はその全体に支えられているのであって、全体が個に先立つとされる。 こうしたヘーゲルの考えを全体主義的な国家観と呼ぶひともいる。確かに国家は個人よりより先なるものではあるが、真の全体ではない。…

言葉の意味が各人で全く違っているのではないかという説について

言葉の意味が各人で全く違っているのではないかとする説がある。例えばAさんが「カブトムシ」と呼ぶものと、Bさんが「カブトムシ」と呼ぶものとでは全く違っているのではないかというものである。AさんとBさんは各々「カブトムシ」の入った箱をもっておりそ…

Was vernünftig ist, wird wirklich, und das Wirkliche wird vernünftigについての二三の考察

ヘーゲルの『法の哲学』(『Grundlinien der Philosophie des Rechts』)の序文での有名な一節。 Was vernünftig ist, wird wirklich, und das Wirkliche wird vernünftig. よく目にする訳では「現実的なものは理性的であり、理性的なものは現実的である。」…

哲学は経験するもの

哲学あるいは思想を勉強していると「経験しないと分からない」と言われることがある。しかしそれは哲学あるいは思想についても言えることで、哲学あるいは思想の凄さというのは実際にそれを読むなり議論するなりして経験しないと分からない。そして哲学書は…